うさぎ幼児園

ごあいさつ

2017年4月  うさぎ幼児園園長 阿部絵理子


別名「お山の上の幼稚園」とも呼ばれる当うさぎ幼児園は、とんもり谷戸や生田緑地に隣接する深い緑に守られた大変静かな環境の中にあります。少人数制とモンテッソーリ教育を貴重とした質の高い保育を提供し続け、今年6月には創設より36年目をむかえます。 一度は閉園しましたが、類を見ない理想の保育を復活させるために、意欲あふれる新しい先生も加わって再開したのは今より5年前のことでした。

先月、7人の卒園生を送り出しましたが、モンテッソーリ教育理念のもとに育った、子どもらしく生き生きとして知的興味に溢れた自慢の子どもたち! 彼らに共通していたのは3年の園生活の中で、少人数制のために人間関係を鍛えられ、毎日の山登り通園で体力と気力も鍛えられた子どもに成長していたことです。 皆それぞれの小学校に別れて行きましたが、どこでも通用するような「自分に自信を持っている」姿で巣立っていったことは、私達教師にとっては何よりの幸せといえます。

一方、卒園生のご両親はお子さんを3年間通わせる間に、わが子の成長過程に理解を深めながら、園の行事などにも大いに協力して下さいました。 こうして苦労しつつ、子育ての楽しさや素晴らしさとその尊さを知り、「実は自分が子どもに育てられて、やっと親に、本当の意味での大人になっていったのだ!」ということに気づく方もいらっしゃいました。 きっとこれからも、うさぎ幼児園での3年間を時々振り返りながら、自分たちがどんな子育てをしていくつもりなのか、各ご家庭でそれぞれ継続して考えて下さることでしょう。
私達の36年前から継続する「幼児が幼児期にしなければならないこと」を尊守する保育は、決して「小学校で困らないように早めに大集団で十把一絡げの組織に慣れておく」ようなものではありません。0歳から6歳までの幼児を持つご家庭で、「だいたい周りの家庭と同じようにしておこう」と漫然と子育てに対応していると、自分の子育てに軸のないまま、社会の波に親子で飲み込まれていってしまいす。

では「幼児が幼児期にしておかなければならないこと」とは何でしょうか? そのために親が子どもにさせてあげるべきこととは? それは安心できる環境の中で、子どもが実際に自分の体と頭を使って、この時期にしか感じることの出来ない気づきや体験を、ゆっくり繰り返しさせてあげることだと、いつも考えています。

例えば人と人が一対一で心を通わせる大切さを知り、時間をかけて信頼関係を結ぶ基礎を経験をすること。 また自分で考えて行動し、失敗しながらも何とかやり遂げ、賞賛やご褒美ではなく自分の満足感のために活動すること。(大人からの指示を待ち、言われたことを人並みにやって褒められるのを期待して行動しないこと) 自分の体と頭を使って苦労した後の満足感の先に、他の誰とも比較できない自分の本質的な成長があることを知る。 その他、シャベルを力強く握り手応えを感じながら目の前の砂と格闘して一心不乱に穴を掘ったり、不安定でも自分でバランスを確かめながら本物の木に登ったり、名もない草花を愛おしく見つめたり、じっと虫の羽音に聞き入って小さな命の存在に気づく……そんなことが幼児期に最も必要な経験であり、その後の人生を豊かに生きていく力になるのです。

そして長年、この考え方で保育を実践しながら、保護者の方々からもご理解を頂いていきました。
このように昔も今も変わらない小さな園ですが、一人一人、一家族一家族を大切にしながら、子どもはもちろん親も育っていく大きなパワーをもった幼児園です。

 

1982年開園~2010年閉園の歴史

 これまで250名以上の卒園生を送り出したうさぎ幼児園は、園長・大野登志子の急死を受けて、2010年3月に一度はその長い歴史に幕を下ろしました。  独自の保育に共感して幼児園を支えてくださった多くの卒園生・在園生の家族は、閉園を残念に思う一方、亡き園長が最後まで園の継続を強く切望しながら旅立たったことを知ります。 その後「お山の上の幼稚園」として慕われた園舎は、再び子ども達の笑い声が戻ってくるのを、そのままの姿で静かに待っていました。再開準備には2年の月日を要しましたが、2012年に新しい子どもたちとご家族を迎えることができ、もう一度命が吹き込まれたのです。

 

【お知らせ】

~~~「モンテッソーリ教育って、なんですか?」というご質問にむけて~~~

2017年8月30日(水)に、多摩市民館近くの『ぐらすかわさき』にて、園長・阿部絵理子主催の「モンテ・カフェ~モンテッソーリ教具の親子体験会~」が企画されています。どうぞお気軽にお問い合わせ下さい!